2014年から実施している愛護センター見学も今年で6回目となりました。
最初の見学時に説明を受けた2013年度の岡山県動物愛護センターの処分頭数は「犬猫合わせて693頭」でした。
今年説明を受けた2018年度の処分頭数は「犬猫合わせて24頭」です。この24頭も収容後病気で亡くなったり、怪我2や病気で苦しむ仔をやむなく安楽死させた頭数とのことで、いわゆる「殺処分」は行われていないそうです。
このように、殺処分数が減少するに伴い、見学する私たちの気持ちも大きく変化しました。
愛護センター、愛護財団の担当者の方の説明も、「収容された犬猫をどういうふうにして新しい飼い主さんの元へ届けるか」を前提にした話し方をされていたので、「殺処分する場所を見学する」「目の前にいる犬猫は殺処分されるんだ」という悲しくて暗い現場を見学するということではなく、「元気になって、新しい里親さんが見つかるといいね」「この中からわんぱーくに来る仔もいるのかな」といった、明日に希望を持った気持ちで見学することができました。
同時に、私たちを見てしっぽを振って鉄格子から鼻先を出しクンクン言っている犬に対しては「こんなに人慣れしているのに・・・捨てられたのかな・・・」と思い、怯えてすみっこに固まっている犬には「人間にいじめられたことがあるのかな・・・捨てられてずっと野犬として過酷な中で生きてきたのかな・・・」と、ここに収容されるまでの過去を想像してしまいます。
つまり、ここにいる犬猫の大半が人間の身勝手さの犠牲であることや、過去ここで大量の殺処分が行われていた現場であることは、何度ここを訪れても慣れることのない「重い空気」を感じ、私たちの活動の意義を再認識する場でもあります。
※過去のセンター見学記は、ホームページのトップページ右側のバナーから見ることができるようになっていますので、是非ご覧ください。
今年度のセンター見学は6月30日(日)参加者16名、7月24日(水)16名で実施しました。
以下、6月30日の状況報告になります。
わんぱーく挨拶、センター挨拶、センター概要・業務内容などの説明後、1班2班に分かれて各施設を見学して回りました。
私たち2班はまず愛護館の説明と愛護財団の業務内容の説明を聞きました。センターに収容された犬猫が譲渡されるまでの流れを説明したパネルや数々の啓発パネルの展示、ふれあい動物としてうさぎやモルモットが飼育されていました。
ふれあい飼育棟では譲渡を待つ犬猫がいました。
管理棟は処置室、手術室、検査室などがあり、車にひかれた仔猫が一匹いました。入った時の状態はひどく安楽死も考えたが昨日ごはんを食べたとのこと。ここは命との戦いの現場です。
センターの取り組みとして
・センターから避妊手術をして譲渡する。
・地域猫活動の対象個体の避妊手術をセンターで無料でする。
を新たに始めたと説明がありました。
責任を持てない命を生ませない、増やさない、ということはとても重要です。
保護棟に入ると昨年見学時より多くの犬が収容されていました。18頭。個別犬舎はほぼ埋まっていました。ゴールデンウイーク後、収容が増えたそうです。
感染症などの管理のため個別犬舎は犬舎裏側の今は使われていない追い込み通路から、上から覗き込むような形での見学でした。追い込み通路の奥には処分機が口を開けていていて「殺処分」という言葉が現実味をもって迫ってくるように感じました。(現在この処分機が稼働することはありません)
有料引取りの犬は1頭。飼い主が亡くなり引取り手がいない、とても愛想のいい中型雑種犬。
昨年と比べ今年は仔猫の遺棄がたいへん多いそうです。
保護棟の猫室にも1~2ヶ月くらいの仔猫3匹がいて、この日わんぱーくボランティアが引き出すことになっていました。管理棟の負傷仔猫も急遽茶本代表が連れて帰ることになりました。
仔犬室には毛を短くカットされた状態で放浪していた成犬小型犬が1頭いました。ブリーダーが毛をカットしてから遺棄することがあるそうです。
咬傷犬室には老犬が1頭横たわっていました。
猫室、仔犬室、咬傷犬室はエアコンがあり小型犬や弱っている犬はこちらに入っています。
講習室に帰り質疑応答がありました。
昨年の西日本豪雨で避難を体験した方から、その時の様子や問題点の話がありました。同行避難しても部屋に入れず廊下や渡り廊下で犬猫と過ごす人がたくさんいたそうです。被災時の具体的な対策・マニュアル作りとその周知が必要だと思います。
今回センター見学をして殺処分数の減少や小さな命を断たない為の取り組みなど改善、進歩していると実感する一方、まだまだ命を軽んじる無責任な風潮が至るところに存在し、たくさんの犬猫が変わらず厳しい状況におかれていることも改めて目の当たりにしました。
記 小松 正子・三島 久美子
2019.6.30岡山県動物愛護センター見学感想
①私は今回初めて動物愛護センターに行きました。
殺処分される場所という認識が強かったためか、過酷な環境を少し想像していたけど、実際に行ってみると、動物がどれだけ大切にされているのかということがよく分かりました。
また、「動物を大切に」と言うのは簡単だけど、実際、行動に移していくのは大変なことだということも改めて理解しました。
動物を大切にするということは、その動物を大切にするという気持ちとお金が必要で、でもそこまでは自分でも少し考えれば分かることでした。けれど、今日実際に行ってみて、たとえ大切にする気持ちやお金があったとしても正しい知識が無ければ救ってあげることは出来ないということも学びました。
今回私はたくさんの知識を得ることが出来ました。
実際、自分もこういった保護された動物たちから家族を増やしたいなと考えていたので、とても貴重な体験になりました。
子猫を抱っこしてみて、動物の暖かい温もりを感じることの大切さも身にしみて感じました。
自分なんか何の役にも立たないと諦めるのではなく、まず行動に起こしてみることからやっていきたいなと思いました。
本当に貴重な体験ありがとうございました。今後の生活に活かしていきたいです。
②今回の見学により、動物愛護センターの方の熱い思いを、口や文字で見たり聞いたりするだけではなく、犬や猫などの動物達の表情や行動によって現状をより感じられました。人間の口から発することも大切だと思いますが、やはりそれを見たりその場の空気を感じたりする方が殺処分の悲惨さや収容される動物達の状況などがしっかりと把握出来ると思います。
特に、同じ生きている動物なのにも関わらず、災害などがあった場合などは後回しにされる存在であるというのがとても心苦しかったです。動物嫌いやアレルギーなどの色々な事情があるのも分かりますが、動物愛護センターに運びこられてくる動物達を減らす為にも、まずは参加した私達がもっと知識を深め理解し、他の人に発信していけられればと思いました。
今後の糧になる見学会となりました。
③今日はありがとうございました!!
愛護センターにいって1番印象に残っているのは保護棟です。今は殺処分はあまりしていないと聞きましたが、やっぱりなにか重たい雰囲気を感じました。特に追い込み機を見た時はゾクッとしました。その時の犬や猫の気持ちを考えるとどんだけ怖かっただろうと思いました。だから、殺処分数が年々減っていて良かったと思いました。それと同時に、殺処分数が思っていたよりも減っていてビックリしました。心から良かったなと思いました。
また、災害がおきた際の動物への対応の仕方についても考えさせられました。私は実際に避難したことが有ります。だけど、さすがに動物を連れていくと他の人に迷惑がかかるのではと連れていくことが出来ませんでした。連れていかないとやっぱり不安で不安で仕方ありませんでした。だから、これから先災害がおきた際の動物への対応を良いものになって欲しいと心から思いました。
私たちの無責任な行動によって動物が苦しむと今回の見学を通して強く思いました。私たちが責任を持って育てていくことが何よりも大切だとおもいました。また、不妊手術の必要性など伝えていくべきだと思いました。
今回はたくさん考えさせられることがありました。とても勉強になりました。
④今日はありがとうございました。私は今回初めて動物愛護センターに行きました。動物達を見て、しっぽを振って私たちに近づいて来てくれる犬もいれば、隅っこで丸くなって震えながらこっちをじーっと見ている犬もいて沢山考えさせられました。
そして、ほとんどの犬が起きていて怯えるような目でこっちを見てみてとても心苦しくなりました。ご飯も貰えるし、世話もしてもらえるけどやはり、心休まる場所ではないと感じました。私も犬を飼っていて犬が大好きなので、怯えている犬をみてとてもしんどかったです。
このような犬猫、動物が少しでも減っていってほしいと思いました。
⑤愛護センターに初めて行ったので、施設内にいた犬や猫がどんな状態で保護されているのか知ることができました。
保護棟にいた犬と猫がいつか優しい飼い主に飼ってもらえたらいいなと思います。
⑥私は今回初めて愛護センターに行きました。
保護棟にいた犬たちの怯えた表情や震えがある犬も入れば人間が来たから遊んでくれると思ってか尻尾を振って喜ぶ犬もいてとても複雑な気持ちになりました。
殺処分の数、収容数は減ったといえど、飼う側の無責任な去勢手術の拒否や、単純に可哀想だという理由でエサやりをしてしまい野良の子たちを増やしてしまうなど人間のエゴが見えた気がしました。動物は確かに可愛くて癒しをくれますが一緒に暮らすと可愛いだけでは飼うことができないってことを譲渡会ではもちろんペットショップ等でもきちんと呼びかけるべきだと感じました。捨て猫、捨て犬が減っていくことを願います。
⑦愛護センターにいた犬や猫たちを見て、可愛いと思う反面寂しい、悔しいという気持ちになりました。人を見て嬉しそうに尻尾を振っている子を見た時、触ってあげて遊んであげたいと思いました。そんな子もいれば、怯えた目をして奥でじっと座っている子がいて、どんな経緯でここにやって来たのだろうと考えさせられました。
ペットショップやブリーダーから買うのもいいけれど、愛護センターの譲渡会や保健所にいる子たちに、もっともっと新しい飼い主が見つかればいいなと感じました。
譲り受けても去勢手術をしない人や虐待をしてしまう飼い主も居るので、そういうことが無くなるように愛護センターなどが活動を続ける必要があるのだと思いました。
実家の犬も保健所から貰ってきた犬なので、貰ってきた時にことを思い出しました。
⑧本日はたいへんお世話になりました。現状を知ることができ、色々家庭でも話しをすることができています。まずは見て知ること、そしてまわりの方々へお伝えすることだと感じています。
今日は保護されといる犬猫の不安そうなまなざしが心に突き刺さっています。また機会をつくりお伺いしたいと思います。
⑨昨日はたいへんお世話になりました。
娘と夫とお伺いさせていただきました。
我が家は三年ほど前に、段ボール箱に棄てられた幼猫5匹を保護したことがあります。病院で言われたのは、生後7日ぐらい、育てるには厳しい状況と言われました。一匹のみ命をつなぎ
ずっとおうち猫として嫁いでいきました。
その日から三日後、用水路の水門にはまってしまった幼猫を助け、この子は我が家のおうち猫になっています。
娘の将来の志しは、獣医師になりたいそうです。そんな娘に、あらゆる視点から現状を知り学びを深めてほしいと参加させていただきました。
帰宅してからも、保護されたわんちゃん、ねこちゃんの
怯えた眼が心に突き刺さっているとの事でした。これからも意識をむけながら、自分たちのできることを模索しようと思います。
たいへん貴重なお時間を作っていただきありがとうございました。